ブラックボックス:音声分析捜査 / 真実を葬るな!

ブラックボックス:音声分析捜査 (2021 フランス)
Boîte noire / Black Box
監督:ヤン・ゴズラン

 

あらすじ:ブラックボックスがおかしい。

最新型の旅客機がアルプスで墜落し、乗客乗務員316人全員が死亡。さらにフライトレコーダー(通称ブラックボックス)を開いた航空事故調査局の音声分析官ポロックが謎の失踪を遂げる。

ポロックから調査を引き継いだマチュー(ピエール・ニネ)は「コックピットにイスラム過激派と思われる男が侵入した」と発表し、その分析は高く評価される。しかし後日、犠牲者が事故直前に残したという留守電を聞かされたマチューは、その音声がブラックボックスに残された音と違う事実に愕然とする。

 

マチューは音にとても敏感で、というか職業柄当たり前なんだけど、騒がしい場所では耳栓をつけないとああああ!となっちゃうほど聴覚過敏なんですね。ほかの分析官でも聞こえないような音を拾ってしまうし、音に対しての執着も強い。それが分析官としては天才的なんだけど周囲は頑固でちょっと面倒くさい人物だと思っている。というこのへんの描き方がとても良かったと思います。
見ていてほんとに面倒くさいやっちゃなーと思ったし、幻覚だか妄想だかわからないシーンもあって、これひょっとして病的なやつなんじゃないのとか脳内映像なんじゃないのとか、どうかしたらこいつが改ざんしちゃうんじゃないのとかいろいろ考えたもんね。最後あんなことになるとは・・・ごめんよマチュー。ほんとごめん。

 

で、音だけで真相に迫るという点で『ギルティ(2018 デンマーク)』を思い出したんですが、あれは先入観とか思い込みについて問う作品なので科学的な音声分析とはちょっと違いますね。ワンシチュエーション映画だし。
予告編で7割方ネタバレしているので気にせず書くと、要は航空業界の闇です。もう少し言うとIT至上主義への警鐘でしょうか、今に始まったことではないですけどね。これについては劇中のある人物の行動がそれを印象付けています。やってることは悪いけど。航空機にそんなことしちゃダメ!航空機でなくてももちろんダメ!

 

『ギルティ』に触れたついでと言ってはなんですが、この映画もイヤホンとかヘッドホンをつけて観るとなお面白いと思います。おすすめです。

 

 


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