猫たちのアパートメント / 猫の気持ちはわからないけれど

猫たちのアパートメント(2022 韓国) 
고양이들의 아파트/Cat's Apartment
監督:チョン・ジェウン

f:id:eiganohanashi:20230613163854j:image

 

あらすじ:猫を引っ越しさせます。

老朽化による再開発のため取り壊しの進む、ソウル市内の遁村 (トゥンチョン)団地。かつてアジア最大と言われたこの団地には250匹以上の猫が棲みついていた。

彼らを見守ってきた住人たちは住処を失う猫たちを安全に移住させるべく、里親探しを含めた猫の一斉引越しプロジェクトを始めるのだが…。

 

この映画の猫たちは野良猫ではなく地域猫と呼ばれています。名前とともに紹介される猫たちは痩せ細ってもいないし、どちらかというとてっぷりしていて家猫のように毛並みの綺麗な子もいます。住人の猫ママたちが食事を与え我が子のように可愛がっていたからね。
まあ何しろ猫たちは可愛い。トゥンイ可愛いよ、おでぶのトゥンイ。

 

猫たちは、住人がいなくなろうがデカい重機がそばまで来てようが構わず、ねぐらにしているアパートやその地下に入り込んでしまいます。住民たちに守られ快適に過ごしてきた団地を離れたくないのでしょう。帰巣本能ってやつですね。
でも当然ながらエサにありつける機会は減るし、それどころか解体中に瓦礫の下敷きになったり出られなくなったりして死んでしまう可能性も大いにあります。

もちろん外猫だからもともと危険はたくさんあるのだけれど、人間の都合で住処を奪われ命の危機にさらされる250匹の猫たち・・・となると「どげんかせんといかん」となったのは当然の流れなのだろうと思いますね。
いま目の前にある危機に対して、できる人ができることをやる。助ける方法があるなら、それで助ける。

 

物語は現在進行形だったのでこの活動の結果が実際どうだったのかはわからないし、猫たちが移住先に馴染んでいるのかも気になるところではありますが、私を含め猫を飼ったことのある人や猫好きの人には猫たちの一挙手一投足に「わかるわかる~」とほっこりしながら観れるのではないかなと思います。

猫たちは私たちのことを猫缶の缶切りくらいにしか見ていないのよハハハ!と笑っていた猫ママがいたのだけれど、まあそんなもんかもしれないね。
某レビューサイトに「私一生缶切りでいいです!」という猫飼いさんのひと言があって最高だなと思いました。

 

『猫たちのアパートメント』予告編 - YouTube