鋼鉄の雨 / 真の同志とは何か

鋼鉄の雨(2017 韓国)
강철비/Steel Rain
監督:ヤン・ウソク

 

あらすじ:二人のチョルウが戦争を阻止すべくがんばります。

北朝鮮でクーデターが起こり、北の1号が瀕死の重傷を負った。その場に居合わせた元エリート工作員オム・チョルウ(チョン・ウソン)は、意識不明の北の1号を連れ密かに韓国へ脱出。

北朝鮮の宣戦布告により世界に緊張が走る中、韓国の外交安保首席クァク・チョルウ(クァク・ドウォン)と出会ったオムは、最悪のシナリオを回避するべくともに奔走する。

(※ 劇中、韓国側が北の最高指導者のことを「北の1号」と呼んでいるので同じように書いています)

 

途中でだいぶ前に観た『コンフィデンシャル 共助』を思い出しまして。南と北のバディもので、北の人は何故かイケメンで、めちゃめちゃ警戒する北の人を南の人があの手この手で懐柔していくところなんかもよく似ています。エンタメに振り切ったトンデモ設定やアクションシーンもいい。
しかも本作ではWチョルウですからね。二人の共通点が増えた(笑)

ありそでなさそな、でもひょっとしてあるかも?!というギリギリのところを絶妙なケレン味で攻めてくるのがとても面白いと思います。
あとで調べたら、原作は監督のヤン・ウソク氏自らがウェブトゥーンに掲載した漫画なのだそう。この人漫画家だったのか! 初監督作品はソン・ガンホ主演の『弁護人』です。

 

個人的には、北の人民軍大尉チェ・ミョンロクを演じたチョ・ウジンの無表情なサイボーグ感が非常によろしかったです。グェボボ!ってあれだけ血吐いといて何時間かしたらケロッと出てくるとか不死身かよ!まあ結局やられましたけど。わたし好きだなあ、この人。
キングメーカー』でのヌルッとした演技も面白かったけれど、どちらも気味の悪い執拗さが一周回ってコミカルに見えるという技量の高さを感じましたね。あと、まさかのG-DRAGONね。

 

ちなみに続編といわれる『スティール・レイン (2020)』は潜水艦モノなんですが、全くの別物です。
実は私は何も知らずにこっちを先に観ていまして若干のコレジャナイ感でモヤモヤした記憶があるのですが、たぶん監督が調子に乗りすぎたんだろうと勝手に思っています。この手の映画は現実とフィクションのつなぎ方がおかしいと、役者さんがどんなに頑張ってもただの漫画の域を出ないで終わってしまいますからね…

というわけで『鋼鉄の雨』おすすめです。

 

https://youtu.be/4G8RU1y2Blc